音大生のための就職徹底ガイド
著者 新村昌子
発行者 谷口恵治
発行所 株式会社ヤマハミュージックメディア
2011年9月9日 初版発行
著者の新村さんが体験をもとに、仕事にめぐり合うヒントになればと書かれた本です!
3章構成になっていて、付録1にはエントリーシートの書き方、付録2には資格検定紹介が書かれています。
今回は主に第1章と第3章から抜粋して、白湯*の話も少し交えつつ書きたいと思います!
第1章 あなたの決意と準備のために
「音楽が好きなので音楽関係の仕事がしたいんです」というただ漠然と、なんでもいいじゃダメなんだというわけです。
景気の善し悪しに関係なく音楽業界やマスコミ業界は狭き門。その中でもごく一部の人しか携わっていないクラシックに関わる仕事がしたかった著者ですが、厳しい就活のなかで、「業界にこだわろう」と思うようになったそうです。つまり、「(クラシック)音楽に関われればなんでもいい」ということです。
ひと口に音楽業界といっても色々な業種がありますが、P14,15に音楽業界をまとめた関係図が載せられていて、わかりやすいです(^^)
音大生がその能力を生かして活躍しやすい職種について考えてみると、レコード会社やマスコミ関係というのは組織が大きく、クラシック以外の音楽ジャンルの比重がとても高いのが現実です。では、放送局や出版社でクラシック専門の番組や出版物はどのぐらい思い当たりますか?ちょっと考えただけでも、さらに小さな世界であることが想像に難くないでしょう。
クラシック関係の制作や編集ができるのは、本当に幸運なめぐり合わせというしかありません。
とはいえ、実際に音大出身者が割と活躍していることも事実です。
そう考えていくと、音大出身者の能力が戦力となりやすいのは、「事務所関係」や、写譜屋さんなど「スペシャリストな裏方さん」かCDや楽器販売などの「ショップ関係」になります。
今は、どこの業界でも転職は当たり前のようになっていますが、音楽業界は昔から転職者が多いのも特徴の一つです。
まずできることから行動、とにかく早目早目に積極的に動くことが大切です。
第2章 音楽業界の仕事紹介
仕事が9項目あげられていて、〈先輩に聞く○○の仕事〉というかたちで体験談とアドバイスのインタビューが載っています。
私、白湯*は、音大卒業後に少しだけ楽器屋さんでアルバイトをしたことがあるので、その時のことを書たいと思います(*^-^*)
まず、電話対応、レジはやったことが無かったので、慣れるまで大変でした。特に、電話が聞き取りづらくて本当に大変というか正直嫌でした(笑)
しかも、楽譜などの注文の際には、パソコンで在庫状況や今までに利用がある人かなどの顧客情報の確認をしながら対応しなければならなく、タイピングが遅く苦手意識の強いパソコンの操作も意外とストレスでした(;_;)汗
今はどうなってるかわかりませんが、当時はお給料は最低賃金だったので、生活のために稼ぐという視点からはあまりお勧めではないかなとは思います。
ですが、プロの奏者さんが利用されることもあったので、使っているリードの材料を知れたりこだわっている点が聞けたりして勉強になりましたし、演奏会などの裏話が聞けることもあり面白かったです!
また、プロだけでなく、音大生やアマチュア、多くの演奏会情報を知ることができます。
そして、自分の能力を生かす事ができます。
完成リードを全て試奏してそれぞれの特徴を知り、こういう感じのリードが欲しいと言われたときにすぐ対応できるようにします。
完成リードや材料のネット注文が入った際には選定もするので、奏者としての視点から仕事ができます。
フェアの時には楽器を準備したり、掃除をしたり、
アンサンブルでオススメの曲を聞かれたり、知識を生かせる場面も多くあります。
もちろん、能力・知識を生かしたいのであれば、ダブルリード専門店や楽器ごとのフロアやスペースがある店舗のダブルリードの所で働くことが前提です。
楽器屋の求人だからと飛びつかずに、ちゃんと楽器ごとのフロアやコーナーがある店舗なのか、 自分の専攻楽器の所で働けるのか確認しましょう!
私は、金額よりもファゴットの時間(吹く以外にも)を多く取りたかったのと、本当にタイミングで声をかけていただいたので、楽器屋さんでアルバイトをしました。
辞めてしまった理由は、効率を優先させたいと思うようになったからです。
吹く時間と、自分で演奏会を企画して行う機会を増やしたかったので、自宅から近くてある程度の時給で自分がやりたい業種に変えました。
第1章の「業界にこだわる」話に似ていますが、何のためなのか・何をしたいのかを明確にする事がとても大事だと思います。
第3章 希望の仕事にめぐり合うための自分の磨き方
大切なのはまずこうありたい自分をイメージすること。そこからすべては始まります。
著者がいくつかあげている中から、2つ紹介します。
〈最低限のコンピュータ操作能力を磨く〉
音楽事務所などいわゆるオフィス系はWindows、レコーディングなどクリエイター系はMacを使うことが多いです。就職試験の面接などで「パソコン大丈夫ですか?」と聞かれたときには最低限officeソフトの中のWord、Excelの基本的な操作、できればPower Pointなども使えますと言えるようにしたいものです。
〈体力をつける〉
人間最後の決め手は体力です。実際、音楽業界で仕事をしてみると「いや、最初から体力だよ」というような出来事ばかりでした。
人間、体が資本ですからね!健康でいてはじめて、色々なことができます。
運動も頑張りましょう・・・。ちなみに私は運動苦手です(笑)
そして、紹介しておいて申し訳ないのですが、こちらの本、絶版になっているみたいです(;_;)
楽天で中古で買えるので、興味がある方は読んでみて下さい!
この記事が、仕事の選択のお役に立てれば嬉しいです(^^)
それでは、このへんで♪
コメント